小川未明の童話集、読みました。
私が特に好きだったのは「月とあざらし」。読んでる時は(この話、暗いな)くらいの印象しかなかったけど、結局全て読み終えても、あの暗い海のイメージは私から去っていません。
読んでいて、昔から人気の童話作品に多数当てはまる特徴があることに気づきました。
これは「小川未明童話集」のあとがきでも誰かが書いていましたが、子供向けにしては暗い。(子供向けの本が明るくなければいけないわけはないのですが)人生の辛い部分、人間の嫌な部分がしっかり描かれている作品は、時を超えて人々に読まれてきていると思います。
それとは別の道をたどっているのがグリムなどの収集した作品。あの作品たちはしっかりと正直者が最終的に幸せになる作品が多いのではないでしょうか。
あ、でも昔「本当は怖い、グリム童話」みたいな本ありましたね。。
アンデルセンにしても、頭なんか良くない王様や、結局別の女性を好きになる人魚姫に出てくる王子様のように、人間の「酷」な部分をしっかり見せて書いているように思います。
小川未明は、童話は子供向けというわけではなく、子供の時期を忘れた大人向けにこそ書いている、と言ったことがあるようです。
覚えていますか?子供の時の楽しさ、無邪気さ、無慈悲さ、不安さ、あざとさ。笑
リアリテイのある作品はやはり魅力的です。